看護師としてスムーズに復職するために知っておきたいこと

看護師としてブランクからの復職を成功させるためには

看護師の復職、は育児が一段落したり、将来設計を含む家計の事情、意義のある人生を送りたいなど、さまざまな理由やきっかけで考え始める方は多くいらっしゃいます。しかし、実際に復職するとなると、ブランクがあることに不安を抱えていたり、保育園の都合、さらには子供の病気の際の対応、また、夜勤に対する心配など、気に掛かることはたくさんあるでしょう。現に、医療の現場の情報の更新速度が速く、1年のブランクがあるだけで、看護師をしていた時の情報が古くなってしまうという場合も多いのです。

先に看護師として復職した方は、どのような対策を行っていたのか、実際に看護師として復職した後は、どのような生活を送っているのかなど、看護師として復職するメリットやデメリット、復職に関するポイントや成功の秘訣を詳しく紹介していきます。

看護師として復職に成功し入職後も充実して働き続けるためには

様々な理由により、一時的に看護業界から退き、復職したいと考えている方は非常に多いです。しかし、復職する場合に、不安に感じてしまうのは、次の3つがほとんどです。

  • 子育てとの両立に対して
  • 家族に夜勤シフトを理解してもらえないこと
  • ブランクが開いている間に進んでしまった医療業界の情報

その不安が引っ掛かってしまい、看護師として復職出来ずにいる、潜在看護師は71万人以上いるとされています。その中でも、約8割の56万人程度は復職を望んでいるにも関わらず、復職に躊躇しているようなのです。

潜在看護師数と他割合の相関図

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看護師として復職するためには、まず、不安に感じていることを払拭する必要があります。ブランクに関して不安を感じているのならば、今までの基礎をしっかり思い出しておくことが大切です。ご承知の通り、医療現場の情報更新速度は速いですよね。基礎を思い出しながらでは、ブランクが空いている間に進んでしまった新しい情報を身に付ける余裕がなくなってしまいます。

看護師として再就職に成功した方の例では、看護学校で使用していた教科書や参考書を使用したり、看護師用のテキストを購入して基本的な知識を思い出しているそうです。ブランクが開いてしまった分の、新しい知識を取り入れることも重要ですが、看護師として再就職してすぐに以前と同じように動けるようにしておくことも肝心です。また、身近な先輩がどのようにブランクへ対応してきたのかを参考にしてみるのもいいでしょう。

次に、夜勤に対応できないと感じているのなら、条件に沿った職場を選べばよいのです。子育てをしているのに、夜間家を空けてしまうことは、夫や両親から理解を得られないことも多いですよね。そういった状況であれば、夜勤の無い病院を選択することで、不安を解消できます。

看護師の夜勤時間年次推移

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また、子育てとの両立に不安を感じているのならば、勤め先の病院の情報を入念に調べることや、知り合いの看護師に相談するとよいでしょう。病院内に保育園が併設されている場合もありますし、両親や義両親のサポートにより子育てと仕事を両立している先輩もいるでしょう。先輩に相談することで、考えてもいなかったような解決法が見つかるかもしれませんよ。

このように、復職する前に出来ることはたくさんあります。

看護師として再度活躍することを躊躇させている不安や疑問を解消するような、既に活躍している看護師の事例や成功のポイントを紹介していますので、よろしければ読んでみてくださいね。

潜在看護師の復職を強く希望している医療業界の現状

看護師業界は、就業する人が増える一方で、離職する方も多くなっています。具体的な数字でいうと、就業数が約154万人といわれていいます。しかし、新人看護師の離職率は8%。さらに3年以上勤めている看護師の離職率は11%にも上るといわれているのです。この離職率の高さが、潜在看護師70万人という数字につながるのです。

看護師就業者数のグラフ

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看護師の離職率年次推移

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また、看護業界のみならず、医師の不足も深刻化している昨今は、看護師が医師の仕事を一部請け負うことが増えました。そのため、新たに就業する方よりも、経験のある潜在看護師の力が必要なのです。

しかし、現状では、看護師の就業3年後以降の離職率が非常に高く、実務経験があり即戦力となる潜在看護師の力が必要とされているのですが、なかなか現実のハードルは厳しいようです。

結婚や出産を機に退職した人は、夜勤やブランク、子育てとの両立など、不安要素があるため、なかなか復職ができずにいます。そこで、2014年に医療介護総合確保推進法という法律が制定され、看護師が退職する際に、情報を登録しておくことで復職しやすく改善されました。

ナースセンターの看護師復職支援

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この医療介護総合確保推進法というのは、簡単に説明すると、全国のナースセンターへ、離職する方の住所や名前、勤務していた病院といった情報を届け出ることで、退職後もナースセンターより支援がうけられるというものです。ナースセンターが、潜在看護師とのつながりをもつことで、職場復職しやすくなります。

また、医療介護総合確保推進法が制定されたのは2014年です。2014年以前に離職をしている潜在看護師や、医療介護総合確保推進法が強制力のあるものではなく努力義務であり、離職時に情報を届け出るのが必須ではないため、のちのち復職したいと考えている潜在看護師には少々不安が残るでしょう。もし、現場復帰の意志がある潜在看護師で、届け出を出していないことで不安を感じているのであれば、次に紹介するセミナーや研修制度が便利でしょう。

看護師の復職をサポートする研修制度

潜在看護師が復職するにあたって、一番不安に感じているのが、ブランクや子育てとの両立です。子供を預かってくれる先が見つかっても、子育てと並行しながらブランクを埋めていくのは大変です。

そこで、利用したいのが看護師の再就職支援セミナーや研修です。全国の自治体や大手の大学病院などが用意している研修や看護師の求人サイトが企画するセミナーで、復職を希望している方が、最新機器を取り扱う大学病院や病院へ行き、バイタルサイン、や輸液ポンプの操作についてや、BLS&AEDや呼吸・循環アセスメントなどを、実際に現場で働く先輩に教えてもらうというのが主な内容です。

医療現場では、医師不足による、看護師の役割増加が進んでいます。

例えば、静脈注射や診療の補助などを、医師の指示によって行うようになってきたのです。看護師不足により、従来の看護師の仕事が増加したほかに、医師の仕事の一部を行うことが増えています。積極的にセミナーや研修に参加して、できる限り最新の技術に振れることが大切です。

特定行為に関する看護師の研修制度 厚労省パンフレット

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医療安全管理についても、年々基準が変わっていきますし、潜在看護師が、復職してすぐに現場で働けるように、数ヵ月から1年ほどの勉強機関があると、復職の不安も少なくなります。また、研修やセミナーという、勉強の時間や場所を設けてくれることによって、子育て中の看護師仲間が出来るのも心強いです。

研修制度やセミナーに参加している方同士で、子育てとの両立について話し合うのもよいですし、先に復職した先輩看護師にワークバランスについて質問することができる貴重な場所です。また、実際に研修をしてくれる病院へ赴くことにより、現場の雰囲気を掴めるので、勤務先を決める参考にもなるでしょう。

実際に、看護師の復職に関してのセミナーなどへ行くのに不安を感じてしまう場合は、看護師求人サイトなどにセミナー体験レポートが掲載されているので、閲覧してみると、服装や勉強方法、内容についての情報を得ることができます。

看護師が復職をするのに適した時期とは

結婚や出産を機に、看護師業界を去ってしまった人が、再び看護師として復職するのは、なるべく早い方がよいといわれています。それは、看護師不足が深刻化していることによって、看護系学校が増えたり2014年の診療報酬改定があったりしたことにあります。

看護師不足を解消するために看護学校が乱立し、看護学校に通う生徒が増えたことで、新人看護師の数が一気に増加している傾向にあります。これ自体は、看護師不足にとってありがたいことなのですが、問題は診療報酬改定です。厚生労働省は、医療費の高騰などをもとに、2014年4月に診療報酬(病院などの医療機関や薬局が治療費や薬代として患者から受け取っている報酬について)を改訂したのですが、その際に在宅医療に対しての評価を高め、診療報酬を手厚く配分することに決めたのです。これによって、病院に勤める看護師がさらに不足してしまう恐れがあると言われています。さらに、在宅医療に力を入れることで、病院勤務をする看護師への待遇や福利厚生などの見直しが行われにくくなってしまうのです。また、この診療報酬の改定によって、病院勤務の看護師が余ってしまうことが予想されています。その数は、実に14万人というデータもありますので、看護師として復職するまでにブランクが長く空いてしまうことで、再就職が不利になってしまうこともありそうです。

看護師として復職し、病院で働きたいと考えているのであれば、早めに行わなければ、在宅医療の推進による余波を受けてしまう可能性が高くなると予想されています。また、この影響により、病院に勤務する看護師の復職の為に保育園の設置することや、復職用の研修やプリセプター制度などの環境改善が積極的に行われなくなってしまうと考えられます。

看護師として復職する際に、新しく勤務する職場の環境や研修について調べることも大切ですが、診療報酬制度の改定により、今後の病院勤務の看護師への待遇がどのようになっていくかのチェックも見逃せません。出来るだけ早めに復帰することが望ましいですが、無理がある場合は復職先の情報収集とともに診療報酬についても頭に入れておきましょう。

ブランクを埋めながら看護師として復職しやすい病院選びのポイント

看護師として復職するには、保育に関してや子供の急病に対応できるか、研修の内容などさまざまなことが気になるものです。とくに、出産や育児でブランクが長く空いてしまった看護師は、次の3つのポイントを満たすような病院を探すことで、復職しやすくなると言われています。

一つは、新人研修に参加できたり、勉強会がある病院です。情報の更新が早い医療業界では、一年職場を離れるだけでも、復職時に勉強し直すべきことがあります。また、病院によって細かなルールの違いもあるため、復職後に慣れない環境でいきなり仕事を始めるのは大変です。そこで、研修制度の整っている病院を探すことが、後の働きやすさややり甲斐に繋がってくるのです。また、病院自体に研修制度がなくても、自治体や大学病院などでも研修制度があるので活用して、ブランクを埋めることも考えておくとよいでしょう。

二つ目は、24時間保育園がある病院です。看護師は育児中でも構わずに夜勤交代制度をとっている場合がほとんどです。そのため、夜の保育が必要となります。実家や頼れる人がいるのなら必要はありませんが、多くの復職看護師は保育園を利用しているようです。病院内に24時間保育園が併設されている病院も多くなってきているので、復職時には保育園の有無も一緒に調べてみましょう。

三つ目は、先輩看護師が多くいる病院です。病院内に、育児などでブランクが空いていたけれど復職を果たした先輩が多くいる場合は、制度や待遇が良いことが多いようです。保育園が併設されていたり、業務提携していたりすることもありますし、研修制度が整っている場合もあります。また、困ったときに相談相手になってくれる心強さもあるため、ブランクがあっても復職した先輩看護師が多くいる病院を調べるのも大切なことです。

看護師就職サイトで検索することでも、多少の情報は得られますが、一番良いのは、元々看護師として一緒に働いていた同期や先輩に聞くことです。同期や先輩が看護師としてブランクが空いた経験のない方でも、その方の知り合いに、ブランクがあっても復職した方がいるかもしれません。その情報がなりよりも正確で大切な情報となりうるので、看護師として復職を考えている場合には、周りの人に積極的に相談してみるのも一つの方法です。

これらの3つのポイントは、ブランクの空いた看護師にが復職するにあたって非常に大切なものです。すべてを満たしていることが一番良いのですが、3つのポイントの中に優先順位を決め、絞り込んで探していくことで、ブランクが空いていても復職しやすい病院を探し出すことができるでしょう。

潜在看護師を募集している病院求人の探し方

看護師の求人は、ハローワークで探しているという人も多いでしょう。しかし、看護師の求人を探す方法は、それだけではありません。ナースセンターへの届け出制度の制定後に退職をしている方は、ナースセンターへの届け出制度を活用し、求人や研修の情報を仕入れることも可能です。また、その他にも、求人掲載をせずに看護師を募集している病院もありますし、人材紹介サービスで求人募集をしている病院もあります。とくに、人材紹介サービスの活用は便利で、登録時に情報を登録することで、24時間保育のある病院の求人を探したり、勤務時間の指定や研修の有無などを設定したりすることが出来ます。自分の生活に合った病院を見つけやすいのです。また、人材紹介会社の場合は、看護師の復職に役立つ研修セミナーの案内をしていることもあります。出産や育児で看護師業界を退いてしまった、ブランクのある看護師にとってセミナーはとても重要です。進歩の著しい医療業界の最新情報を学び直すことができますし、同じような境遇で看護師として復職したいと考えている人に出会うチャンスにもなります。

ブランクの空いた看護師の復職には、研修やセミナーが大切なことは先にも記述しています。人材紹介会社で、研修やセミナーを主催している場合もありますし、大学病院や地方自治体で行われている看護師セミナーや研修の情報を掲載していることもありますので、こまめにチェックしたり、サイト上で情報の受け取り設定にしておくことも大切です。また、地方自治体に直接問い合わせるという方法もありますので、積極的に活用するとよいでしょう。

看護師として復職するための方法はたくさんあります。それゆえに、取捨択一が大変ではありますが、上手に活用することによって、自分に合った病院を見つけることも可能なのです。出産や育児が落ち着いて復職したいと考えている潜在看護師は、とくに人材紹介会社や地方自治体の窓口などを利用してみましょう。

看護師の復職を無料でサポートしてくれる人材紹介サービスについて

看護師の復職を手助する人材紹介会社は、厚生労働大臣の許可を得る必要があります。それは、現状の看護師不足問題以外にも、団塊の世代が退職し、後期高齢者となることで考えられる看護師の必要数を確保するために重要なことであると政府が感じていることにあるでしょう。

現在、看護師は157万人ほどいると言われていますが、10年後の団塊の世代が後期高齢者になる頃には、200万人以上必要とされています。そのため、その不足分を補うためにも、潜在看護師の復職が必要とされているからです。

現在、看護師免許を保持している人が退職するときには、ナースセンターへの届け出制度があるため、復職しやすくなりました。しかし、それ以前に離職している方は、サポートが十分でないために復職にする際に不利と感じてしまうようです。

そこで活用しておきたいのが、ナース人材バンクなどの人材紹介会社のサービスです。看護師人材紹介会社は、厚生労働大臣の許可を得て、看護師の求人紹介や就労条件の交渉、調整や適職カウンセリングを無料で行うことで、看護師が復職しやすい環境を作り上げています。また、登録料が一切かからないことや、キャンセルが無料であることも大きなメリットです。登録料やキャンセル料がかからないことは、職業安定法によって定められているためです。また、看護師有資格者の人材紹介手数料負担は全て病院側が行っています。手数料を支払ってまでも優秀な潜在看護師を得たいと病院側が考えていることが分かります。

人材紹介会社を利用して、看護師として復職するメリットは、登録料が無料であることだけではありません。人材紹介会社には、専門のコンサルタントが、求人探しから採用条件の交渉、履歴書作成の手伝いや面接の対策に至るまで、さまざまなサポートをしてくれます。地域の医療機関に精通する担当者やコンサルタントであることが多いので、希望する病院の人間関係や実際の就労形態などの情報を得ることも可能です。新聞の広告や病院のホームページ、求人情報誌で看護師の求人を探すよりも、サポートが充実していると言えるでしょう。

中には、人材紹介会社のデメリットとして「担当者が無理に求人を紹介してくる」「頻繁に復職をおすすめしてくる」といったものがあげられますが、それはほんの一部です。人材紹介会社の口コミを確認したり身近に利用している先輩看護師がいないか探して意見を聞いたりすると安心です。

病院看護師以外の働き方や再就職

出産や育児でブランクが空いてしまった看護師が再就職する方法は、病院以外にもあります。たとえば、ここ10年くらいで就職人数が上がってきている治験コーディネーターです。治験コーディネーターとは、製薬会社と治験に参加する人への調整や効果・副作用の説明などを行う仕事です。主に病院やSMOと呼ばれる治験施設支援機関へ就職し、治験施設や病院と契約を結び、治験コーディネーターとしての仕事を行います。

治験コーディネーターを雇っている病院へ就職することも可能ですが、多くのコーディネーターはSMOへ就職しているようです。これは、病院での治験コーディネーターは、看護師資格を保有していることもあり、看護師業務もこなさなければならない場合があるからです。病院によって治験コーディネーターの扱いが違うので、事前の確認が重要です。

ブランクのある看護師などの再就職先は、治験コーディネーターの他にも、病児保育園の看護師や、学校の保健室の先生といったものもあります。病児保育や学校への就職であれば、夜勤があることはほぼ考えられないため、勤務時間に不安があり復職が出来ないという人には丁度いい求人でしょう。しかし、現状では病児保育園の数が少ないこと、学校では保健師の資格を保持しているだけでもOKとなっているので、狭き門ではあります。

また、今後発展すると考えられている在宅医療や介護施設での再就職も一つの方法でしょう。団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、在宅医療や介護施設での看護師の需要が高まるとされています。介護施設での就労は、介護士同様夜勤の可能性も考えられます。しかし、在宅医療や在宅介護の場合は、夜間は患者の家族が世話をすることが多いので、夜勤の心配はいりません。そのため、保育園の確保やブランクについての心配も少なくなります。再就職をしたいと考えているのであれば、再就職する時期や就労条件から、病院に勤務する看護師以外の方法を探してみるのもよいでしょう。

治験コーディネーター、保育園・学校看護師、訪問看護、特養などの介護施設への復職も人材紹介会社で求人紹介から入職に関する全ての手続きをサポートしてくれますので、気軽に相談してみると良いでしょう。

まとめ

看護師としてブランクが空いてしまっても、なんとか復職をしたいと考えている人はたくさんいます。中でも、育児が落ち着いたり共働きを再開させたいなどの理由がある場合は、なおさら待遇の良い病院で勤めたいと思うものです。24時間保育園の併設や業務提携の有無、研修サポートや同じような経験をしている看護師の先輩がいるかなど、先に調べておける情報はいくつもあります。そして、ブランクが空いてしまった看護師の復職に役立つ勉強のポイントも紹介していますので、役立てていただけると幸いです。

看護師の復職を支援したり相談に乗ってくれるサポートもありますし、ブランクが空いていても復職することを億劫に感じる必要はありません。また、有職者を募集している介護施設などの就職といった、病院以外の働き方も考えられますので、ぜひ参考にして看護師として復職して活躍してください。